富裕層の資産戦略白書①

前回のブログでは、「国内不動産投資の場合、資産に余裕があるのであれば、東京が良い選択となりうる」という話をしました。

首都圏に在住する世帯年収2000万円以上もしくは金融資産3000万円以上の富裕層への調査データ(経営者、専門職、管理職、合計317人を対象にリクルートが調査)を確認してみると、なぜ東京都心エリアが注目されているのかが見えてきます。

資産形成における不動産や都心エリアの価値を富裕層はどのように見ているのでしょうか?

■富裕層(経営者、専門職、管理職)の共通項目

①資産ポートフォリオ

富裕層の資産ポートフォリオは種類が多いです。預貯金、不動産、株式、投資信託、外貨預金・FX、債券などなど……

ですが3者(経営者、専門職、管理職)とも、内訳のTOP2は「不動産」と「預貯金」が資産の2本柱になっています。不動産は「有益だったと考えている投資対象のアンケート」においても株式、投資信託の次に選ばれていますので、信頼度の高さがうかがえますね。

 

②不動産支持の背景

不動産に魅力を感じる理由のTOP3は3者ともほとんど一緒になっています。

1位:立地や物件によっては今後も資産価値が上昇しそう

2位:賃貸運用で運用益(インカムゲイン)を得られそう

3位:売買で将来的に売却益(キャピタルゲイン)を得られそう。

(※専門職のみ3位の理由が異なり、「株式などの他の投資先より安定感がある」と回答しています。)

つまり、調査結果から首都圏在住の富裕層は、ほとんどの方が将来的に不動産価格が上昇して売却益(キャピタルゲイン)を得られそうと考えているわけです。

インカムゲインとキャピタルゲインの両方が狙える。これが東京の不動産信頼度のすごいところですよね。

私は地元の広島で30年近く過ごし、東京に異動してきてもうすぐ1年になりますが、この感覚の違いになかなか慣れません。(笑)

地方の場合、物件は古くなれば、売買価格は下がり、家賃も下落していく物件がほとんどであり、キャピタルゲインを狙える物件はごく限られたエリアの物件のみですからね。

 

③魅力を感じる不動産の投資スタイル

魅力を感じる不動産の投資スタイルTOP3は3者(経営者、専門職、管理職)とも順位共に同一です。

1位:賃貸運用を想定した投資用マンション購入。

2位:自身の居住用を兼ねて購入、時期を見て売却・賃貸運用。

3位:相続対策を兼ねて都心タワマンなど購入、ポートフォリオ最適化。

 

1位と2位は資産形成を目的としていることがわかりますね。3位の「相続対策を兼ねて都心タワマンなど購入」と回答している点にも注目していただきたいです。

相続対策で不動産を活用すると、現金で相続する場合に比べ、相続税減額効果が期待できます。

現金や有価証券の相続税評価額=時価 

不動産の相続税評価額=土地「路線価」+建物「固定資産税評価額」 <時価

なぜ効果的かというと、簡単に説明すると上記の通り、相続税評価額の計算方法が違うためです。

賃貸不動産の場合は、さらに相続税評価額を圧縮できます。貸宅地や貸家建付地、貸家は、自用の不動産よりも、低く評価されるためです。(※具体的な解説はまた別の機会で……)

都心のタワマンは、価格の上昇が著しく、時価と相続税評価額の乖離が大きいため、相続対策目的として購入されているわけですね。

節税目的のみの相続対策はエリア問わず不動産であれば可能ですが、「資産形成&節税」の両方を狙えるのは東京都心の不動産であり、ここが大きな魅力といえますね。

 

 

■不動産を活用した資産形成・相続対策等のご相談はライフグループへ!

ライフグループでは、不動産業だけでなく行政書士法人、税理士法人を内製化しており、様々な法務・税務実務のサポートが可能です。また、複数の専門家と提携をしておりますので、ワンストップでの対応が可能です。お気軽にお問い合わせくださいませ♪

同グループの㈱LIFE-G Consultingの専門コンサルタントが法務・税務・金融・不動産など専門家を取り纏め、お客様へ最適なご提案をさせて頂きます!

 

文:株式会社LIFE VIEW(旧:㈱椿不動産) 東京支店 向原

※本サイトの掲載内容(画像、文章等)の一部及び全てについて、無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用を固く禁じます。

参考:都心に住む by suumo 2025年2月号「エクゼクティブの資産戦略2025」

 

会社経営者が選ぶアドレスはどこ?

近年、東京都心部への人口集中が顕著ですが、一般人だけでなく特に経営者層も東京都心部に集中しています。「職住近接」志向が強まっていることも要因の一つのようです。

経営者層……富裕層に該当する方が多い層ですが、その人たちが実際、どのエリアの不動産を購入しているのか?気になりますよね?

東京商工リサーチ調べの「2024年全国 社長の住む街 TOP50」を確認してみると面白い結果となっています。

 

■2024年全国「社長の住む街」TOP50

参照:都心に住む 2025.2月号(データ:東京商工リサーチ調べ)

赤字はランキングのうち住宅地の令和6年度地価公示価格の上位5エリア青字下位5エリアです。

調査対象エリアは全国ですが、驚くべきことにランクインしているのはすべて東京23区の街です!

区ごとに確認すると、最も多いのが港区(11のエリアがランクイン)。その他上位5エリアには世田谷区、渋谷区、新宿区がランクインしています。

最も社長が多い街は「港区赤坂」で、社長の数は4000人超え。ちなみにTOP10には同じ港区から六本木や南青山など計6つの街がランクインしています。どの街も地方の人間でも聞いたことがある有名な街ばかりですね。計算をしてみると、港区では、住人の6.2人の1人は社長がいることになります。

 

■公示価格と重ねると……

ランキング表の街の令和6年度公示価格(住宅地)を調べると、意外にも高額エリアばかりではなく、お手頃感のあるエリアも多いです。

公示価格 上位5エリア……赤坂、南麻布、南青山、高輪、東五反田

⇒公示価格 約843万円~1768万円/坪

公示価格 下位5エリア……池袋、本町(中野区)、大久保、亀戸、大島

⇒公示価格 約151万円~232万円/坪

 

■経営者層が選ぶアドレスのポイントは?

リクルートが実施した首都圏に在住する世帯年収2000万円以上もしくは金融資産3000万円以上の経営者105人対象の調査によると……

資産ポートフォリオの約3割が不動産であり、不動産に魅力を感じる理由として約6割の人が『立地や物件によっては今後も資産価値が上昇しそう』と回答しています。

ここで、先ほどの公示価格の上位5、下位5のエリアを確認してみると、再開発中、開発計画中のエリアが多いんですよね。

例を挙げると……

  • 高輪:品川駅周辺で多数の再開発プロジェクトが進行中。
  • 大島:都営新宿線西大島駅前で2032年完成目標で再開発プロジェクトが進行中。
  • 大久保:西早稲田駅周辺で地区まちづくり構想が立案されています。

つまり何が言いたいかというと、

経営者層(富裕層)は資産形成のために、不動産価格上昇が見込める東京の不動産を購入。

なぜ東京?⇒ 東京は開発が進んでおり将来的な発展、不動産価格上昇が見込めるから。

ということなんです。

 

不動産投資の観点においても、国内不動産投資の場合は、資産に余裕のある方であれば東京の不動産は間違いなく良い選択となります。

東京は人口、地価ともに上昇傾向、開発が積極的に進んでおりエリアを間違えなければ将来的な資産価値上昇が見込める可能性がありますからね。

これは、地方で不動産投資を行う場合でも同じです。地方においても、人口が増加しており、賃貸の需要があるのか?開発が進んでいるエリアなのか?等の情報は非常に重要です。

選ぶ不動産を間違えると、資産価値上昇も見込めませんし、不動産の収益力が低下してCFアウト……なんて可能性もありますので、気を付けましょう。

 

■不動産を活用した資産形成等のご相談はライフグループへ!

ライフグループでは、不動産業だけでなく行政書士法人、税理士法人を内製化しており、様々な法務・税務実務のサポートが可能です。また、複数の専門家と提携をしておりますので、ワンストップでの対応が可能です。お気軽にお問い合わせくださいませ♪

同グループの㈱LIFE-G Consultingの専門コンサルタントが法務・税務・金融・不動産など専門家を取り纏め、お客様へ最適なご提案をさせて頂きます!

 

 

文:株式会社LIFE VIEW(旧:㈱椿不動産) 東京支店 向原

※本サイトの掲載内容(画像、文章等)の一部及び全てについて、無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用を固く禁じます。

参考:東京商工リサーチ都心に住む by suumo 2025年2月号「エクゼクティブの資産戦略2025」

これから都会でも空家が増える

これから都会でも空家が増える

その昔、東京で憧れのマイホームと言えば田園調布でした。「田園調布に家が建つ!」なんて流行語もあったほどです。

田園調布駅
田園調布駅

1980年頃の憧れの街は、第1位 田園調布、第2位 成城、第3位 吉祥寺、第4位 自由が丘、第5位 目白*¹でしたが、今の憧れの街は、第1位 吉祥寺、第2位 恵比寿、第3位 新宿、第4位 目黒、第5位 池袋*²となり、さらに社長の住む街ランキングでは、第1位 赤坂、第2位 西新宿、第3位 六本木、第4位 南青山、第5位 代々木*³となっています。

一目瞭然ですが、都心のマンションに人気が集まり、都心から遠い一戸建ては不人気です。

吉祥寺 井の頭公園
吉祥寺 井の頭公園

これまで地方では実家を相続しても買い手がいないので売却できず、そのまま放置され空き家問題が勃発し、ニュースにも度々取り上げられますが、東京都内でも40年前の新興住宅地やニュータウンで実家を相続した子どもたちが戻ってこない(住まない)ため、次々と空き家になり、高齢化と人口減でバス便が減り、商店も閉まっていくなど悪循環となっています。

田園調布や自由が丘も同じ状況で、そこで育った子どもたちは都心の便利なマンションに住み、戻る気はありません。
さらに、田園調布は最低区画面積の地区計画があり、切れない(土地の分割ができない)ことで買い手がつきにくい事情もあります。

山手線外側の23区内の住宅地は、駅から徒歩7分を超えると年寄り独居老人ばかりの街です。団塊世代を親に持つ子は、今後5年から15年で相続が発生し、空き家ばかりの街になるでしょう。

田園調布 航空写真
田園調布 航空写真

今できること

◆現金化(さっさと手放して現金化し、子どもたちに不動産を残さないこと。マイホームの売却なら譲渡所得の3,000万円控除が使える)

◆資産の組み換え(駅徒歩5分以内のマンションに買い替えるなど。)

が考えられます。

 

行動を起こしましょう。

①資産価値の把握(マイホームの査定をしましょう。無料でできます。)

②権利関係の整理(所有者は誰ですか? 現住所で登記されていますか? 抵当権は残っていませんか?)

③現金化や組み換えを検討する(子どもたちのそばに引っ越す等)

④財産目録の作成と相続対策の検討

⑤遺言作成や家族信託の検討

ライフグループでお手伝いできること

上記①、②、③、④、⑤はすべてライフグループでお手伝いが可能です。

お問い合わせはライフグループ(椿不動産)へ。

データ元

*¹AI「ChatGPT」による一般的傾向の回答

*²SUUMO 住みたい街ランキング

TSR Network

広島で不動産投資をするならどのエリア?④ 

「人口減少時代の意外な現象:世帯数増加がもたらす不動産市場の変化と注意点」

これまでのブログでは、人口動態や地価動向データ等を読み解き、本社がある広島で不動産投資をするならどのエリアが良いかについて考察をしてきました。

人口動態について、簡単に振り返りをします。

  • 日本の人口は減少傾向。2100年まで減少傾向が続くと予測されている。
  • 人口が増加する見込みがあるのは東京都と福岡市。
  • 広島県も減少傾向だが、エリアを細分化すると人口が上昇しているエリアもある。

人口が減少していくのは避けられませんが、地域ごとにデータを細分化していくと、人口増加エリアと人口減少エリアに分かれており、将来性がない人口減少エリアではなく、人口増加エリアに絞って不動産投資をしましょうという話でしたね。

不動産投資では、投資物件の収益力が非常に重要であり、常に満室稼働を目指して賃貸経営をしていくわけですが、投資物件エリアの賃貸需要を考えるうえで大事な要素は人口だけではなく、世帯数も重要になってきます。

今回は世帯数をテーマに、考察をしていきます。

 

■全国の世帯数の変化

2020年の国勢調査(※5年ごとに調査されている)によると、日本の人口は5年間(2015年→2020年)で約86万人減少していますが、世帯数は約227万人増加しています。

また、1世帯当たりの人員は2.27人で減少傾向であることがわかっています。(※2015年の1世帯当たりの人員は2.38人。)

 

世帯数増加率、上位3県は沖縄県、東京都、埼玉県で、下位3県は高知県、秋田県、長崎県です。ちなみに広島県は26位です。

日本の人口は減少傾向ではありますが、世帯数は実は増加傾向なわけです。

世帯数が増えればもちろん、生活するために必要な賃貸住宅の戸数も増えるわけで、世帯数増加エリアでは、高い賃貸需要が期待できるわけです。

 

■世帯数が増加する要因

世帯数が増加しているのは以下の理由が考えられます。

①単身世帯の増加

⇒若者の晩婚化、未婚率の上昇

②高齢者世帯の増加

⇒高齢化社会が進む中で、夫婦のみ、もしくは配偶者を失った高齢者の単身世帯の増加

③核家族化の進行

 

■広島市の人口と世帯数変化

広島市の人口と世帯数の推移を確認してみましょう。

〇広島市 人口推移
【参照:広島県HP 市区町村別人口の推移】を基に椿不動産が作成。

広島市の人口は2019年をピークに減少傾向です。世帯数の推移は……

〇広島市 世帯数推移
【参照:広島県HP 市区町村別人口、世帯数及び人口増減(年報)】を基に椿不動産が作成。

 

広島市の人口は減少していますが、15年間で5万世帯上昇していることがわかります。

 

 

■単身世帯の年代は?若者 or 高齢者どっちが多い?

先ほどのグラフだけを見ると、広島市は世帯数が上昇しているし、広島市ならどのエリアでも高い賃貸需要が期待できそうと考えてしまいますが、ほかにも考えなければならない要素があります。

世帯数が増加しているということは、単身世帯が増加しているわけですが、若者の単身世帯が多いのか、高齢者の単身世帯が多いのかも考慮する必要があります。

なぜなら基本的に進学、就職、仕事関係による引っ越しは若者のほうが多く、賃貸需要に関係してくるのは高齢者ではなく、若い世代だからです。

 

〇年齢別 単身世帯の割合
【参照:令和2年国勢調査 人口等基本集計】を基に椿不動産が作成。

こちらのグラフは国勢調査のデータを基に年齢別の単身世帯の割合を示したものです。

確認すると一目瞭然ですね。

  • 人口増加エリア(東京都)⇒20~30歳の世代が多い。
  • 人口減少エリア(秋田県)⇒65歳以上の世代が多い。

たとえ世帯数が増加しているエリアだとしても、人口が流出しており、衰退しているエリアでは、単身高齢者の割合が多く賃貸需要はあまり期待できないと考えられます。

これらを踏まえたうえで、広島市内の世帯数の変動率と年齢別単身世帯の割合を確認してみましょう。

〇広島市 エリア別 世帯数変動率(2013年→2023年)
【参照:広島県HP 市区町村別人口、世帯数及び人口増減(年報)】を基に椿不動産が作成。

 

〇広島市 エリア別  年齢別 単身世帯の割合
【参照:令和2年国勢調査 人口等基本集計】を基に椿不動産が作成。

これらのグラフから以下のことがわかります。

  • 広島市内では、安芸区と安佐北区以外は世帯数が上昇している。
  • 中区、南区、安佐南区、佐伯区では若者単身世帯が多い
  • 安芸区、安佐北区、東区では高齢者単身世帯が多いため注意が必要。

中区、南区、安佐南区、佐伯区は過去ブログでも話していますが、人口増加エリアです。

これら4つの区が広島市の中で人口・世帯数共に増加しており、若者単身世帯も多く、高い賃貸需要が期待できるため、不動産投資先としてお勧めできるエリアになります。

ただし!これら4つの区内でも細分化すると人口・世帯数が増加エリアと減少エリアに分かれているため、注意が必要です‼

各区ごとの詳細はまた別の機会でお話しできたらと思います♪

 

■不動産投資・資産組み換え等のご相談は椿不動産まで‼

椿不動産では、こうしたデータに基づいたエビデンスを基に、不動産投資・資産組み換えによる資産形成、不動産を活用した相続対策のご提案を行っています!

少しでも気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください♪

 

文:株式会社椿不動産 東京支店 向原 

※本サイトの掲載内容(画像、文章等)の一部及び全てについて、無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用を固く禁じます。

 

 

 

 

人口減少にも関わらす、都心部マンション家賃は10%上昇

近年、少子高齢化・人口減少という言葉はニュースなどで度々耳にすることは多いですが、日本におけるマンション家賃の高騰は、人口減少という背景がありながらも続いています。

その要因には、都市部における世帯数の増加や住宅需要の高まりが挙げられます。

以下、主な要因を4つ挙げてみます。

1. 都市部への人口集中

地方の人口は減少していますが、東京や大阪、福岡といった大都市圏では人口の集中が続いています。特に若年層や働き盛りの層が地方から都市部へ移住する傾向が強まり、都市部の住宅需要が増しています。この「都市への一極集中」により、限られた物件に対する競争が激しくなり、家賃が高騰しています。

※グラフ単位は㎡単価

参照:【東京カンテイ プレリリース マンション賃料価格 2024.9.17】を基に椿不動産が作成。(集計対象はファミリータイプのみ。30㎡未満の住戸、事務所、店舗用は除外)

2.  世帯数の増加

人口は減少していますが、家族形態の変化や単身者の増加により、日本中で世帯数は増えています。今後も増え続ける可能性は高く、住宅ストック数が供給であるなら、需要は人口ではなく、世帯数となります。

3.外国人居住者の増加

日本の労働力不足を背景に、外国人労働者や留学生の増加も都市部の住宅需要に影響を与えています。彼らが多く住むエリアでは、賃貸需要が拡大し、それが家賃の上昇圧力となっています。

4.投資需要の高まり

低金利が続く中、資産運用の一環として不動産投資の人気が高まっています。都市部のマンションを投資物件として購入し、賃貸に出すことで収益を上げようとする動きが増えているため、家賃が市場で上昇しやすい傾向にあります。

まとめ

都市部では人口減少よりも、需要が供給を上回る構造が続いているため、家賃の上昇が続いています。特に、都市部で生活の利便性や仕事の機会を求める人々が増える一方で、新規供給が減少していることが価格上昇の主な要因です。

都市部での家賃の上昇は生活費の増加を引き起こし、家計への影響も少なくありません。このため、地方活性化の取り組みや居住エリアの分散化も重要な課題とされています。

中古マンション市場の現状:東京都心と周辺地域の対照的な動き

首都圏の中古マンション市場において、東京都心とその周辺地域では価格の動きに明確な差が見られます。特に埼玉県、千葉県、神奈川県といった周辺3県では、価格の下落が顕著になっています。

 

参照:【東京カンテイ プレリリース 中古マンション価格 2024.9.24】を基に椿不動産が作成。

 

上記は、首都圏の中古マンション価格の前年同月比変動率データを基に作成したものです。東京都は中古マンション価格が上昇傾向なのに対し、周辺3県は下落傾向にあります。周辺3県では、市場に滞留する在庫物件も過去最多を記録し、売却が進まない状況が続いています​。

今回は、東京都心と周辺地域の中古マンション価格の動向について考察していきます。

 

〇周辺3県の下落要因は?

市場特性の違い、住宅ローン金利の上昇

下落原因の一つに買い手の特性が違うことが考えられます。

東京都心部:海外投資家や富裕層がメイン。

周辺3県:自ら居住するために購入する実需層がメイン。

マンション価格の上昇に伴い、特に実需層の購買意欲が低下しています。東京都心部のマンション価格が急騰し、それに引っ張られる形で周辺地域の価格も高騰しましたが、住宅ローン金利の上昇により購入者が慎重になっています。

2024年3月に日銀がマイナス金利を解除し、住宅ローン金利の引き上げが懸念され、特に実需層を中心に市場での購買意欲が低下しているのだと思われます。

主要駅と郊外の価格動向:地域格差の拡大

周辺地域の中古マンション市場では、主要駅周辺の物件はまだ一定の需要が見られますが、駅から離れると価格の下落が加速しています。埼玉県の大宮駅周辺の物件は2024年9月時点で前年比17.5%の価格上昇を記録していますが、隣駅のさいたま新都心駅では3.3%の下落が確認されています。

神奈川県でも同様の傾向が見られ、横浜駅周辺は12.2%の価格上昇を示す一方、桜木町駅や関内駅ではそれぞれ2.9%、2.4%の下落となっています。このように、駅周辺と郊外の物件間で価格差が広がりつつあり、立地条件が売買における重要な要素となっています​。

東京都心部の中古マンション:富裕層と海外投資家の影響

一方で、東京都心部の中古マンション価格は上昇を続けており、実需層にとっては手が届かない価格帯にまで達しています。2024年8月のデータでは、東京23区の中古マンションの平均売り出し価格が7750万円と、前年同月比10.2%の上昇を記録しました。特に人気の都心6区では22.3%もの上昇率を示し、1億2756万円に達しています。

東京都心部の市場では、富裕層や海外投資家が主要な購買層となっており、これらの層は金利上昇に対しても影響を受けにくいとされています。ローンを組まずにキャッシュで購入することが多いため、金利動向による影響を受けず、価格上昇が続いていると考えられます。

〇今後の市場展望:都心と周辺地域の価格差はさらに広がるか?

今後も東京都心と周辺地域のマンション価格差については拡大する可能性があります。実態経済として、マンション価格のインフレに経済が追い付いていません。賃金上昇がマンション価格帯に追いつかない限り、都心部の高騰が続く一方で、周辺地域では価格の上昇が頭打ちとなり、今後も価格下落が続くでしょう。

加えて、新築物件が供給されることで、中古マンションの競争力が低下する可能性も高く、特に郊外ではさらに厳しい状況が続くことが予想されます。今後、投資家にとっては都心部の物件が依然として魅力的な投資先となる一方で、実需層にとっては価格と金利の動向を注視する必要があるでしょう。

 

文:東京支店 向原

 

マンション売買のお問合せ先
首都圏でのマンション売買の相談は椿不動産東京支店へご依頼ください。

広島市内でのマンション売買の相談は椿不動産本店へご依頼ください。

 

参考資料                                 東京カンテイ プレリリース 中古マンション価格 2024年9月24日https://www.kantei.ne.jp/report/70m2/1381

東日本流通機構 レインズデータライブラリー  http://www.reins.or.jp/library/

 

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地方都市の基準地価上昇と再開発による都市間格差

2024年の基準地価が国土交通省により9月17日に公表されました。

これらのデータを読み解くことで、今年の地価傾向をある程度把握することができます。今回は都市圏ではなく地方都市にフォーカスし、分析してみました。

 

広がる地方都市の地価上昇傾向

2024年の基準地価の調査結果では、地方圏全体の地価が32年ぶりに上昇し、特に中国地方や九州地方の都市で顕著な地価の伸びが確認されました。広島市や岡山市などでは再開発が進んでおり、特に商業地価の上昇が目立つ結果となっています。

広島市では、広島駅周辺の大規模な再開発プロジェクトが進行中で、2025年春に新駅ビルが開業する予定です。これにより、広島駅南口付近の地価は10.8%も上昇しています。

また、岡山市でも同様に商業地価が0.9%上昇し、市役所筋周辺での再開発によって6.6%の地価上昇が記録されています。

※広島駅ビル完成イメージ

画像参照:JR西日本 広島駅ビル開発 https://www.westjr.co.jp/railroad/project/project_hiroshima/progress/#hiroshimaeki

 

地方都市の二極化現象

一方で、地方都市の地価上昇が一部の都市に限られていることも明らかです。鳥取市では、基準地価が全国の県庁所在地で最も低く、地価は33年連続で下落しています。特に商業地や住宅地では、需要の減少が顕著で、空き店舗や空き事務所が増加傾向です。

こうした現象は、都市部と過疎地の間での「二極化」が進んでいることを示しており、広島や岡山のような都市が経済的に活性化する一方で、鳥取や島根などの一部地域では経済の停滞が続いている状況です。

下記は中国地方の2023年→2024年の基準地価変動率をグラフにしたものですが、二極化していることが一目瞭然ですね。

 

観光需要と半導体産業の影響

地価上昇のもう一つの要因として、訪日外国人観光客の増加と半導体産業の進展が挙げられます。長野県の白馬村では、観光客の増加によって地価が大幅に上昇しており、白馬村のペンションエリアでは30.2%という驚異的な地価上昇が記録されました。また、周辺の住宅地にもその影響が波及しています​。要因としては、外国人観光客の増加により、ホテル開発が進み、労働者の住宅需要が増していることが考えられます。

さらに、熊本県の菊陽町では、台湾積体電路製造(TSMC)の工場建設が地価上昇の一因となり、同町の地価は16.9%上昇しています。工場で働く人々の住宅需要や、周辺地域での商業施設の開発が進んでいることも地価上昇に寄与していると考えられます。

 

自然災害が与える地価への影響

自然災害による地価の下落も見られます。特に石川県では、能登半島地震や富山県高岡市での液状化被害が地価に大きな影響を及ぼし、住宅地の地価が最大14.8%下落しています。また、豪雨による被害を受けた福島県いわき市や福岡県久留米市の一部の地域では影響を受けており、福島県いわき市で7.5%下落、福岡県久留米市で4.7%下落しているエリアがありました。

 

不動産投資の観点から見ると………

不動産投資目線でこれらのデータを見ると、現在進行形で経済発展をしている or 経済発展が期待できるエリアで不動産投資をするのが無難といえます。

自然災害については、突発的なケースが多いため避けようがないですが、これから伸びるエリアは想像しやすいです。再開発が計画されているエリアを中心に不動産投資をし、逆に経済停滞、人口流出エリアは避けた方がよいといえるでしょう。

文: 東京支店 向原

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首都圏の分譲マンション供給半減

不動産経済研究所が9月19日に発表した
「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2024年8月」
では次のことが明らかになった。

    1. 新築マンションの分譲戸数が対前年同月比50.4%減と半減。全エリアが落ち込む。
    2. 平均価格が9,532万円、平均㎡単価が146.8万円。いずれも2ヶ月ぶりの上昇。
    3. 初月契約率が63.5%と2ヶ月ぶりの70%割れ。在庫は圧縮続く。

供給減少に歯止めがかからない

不動産経済研究所の松田忠司上席研究員によると、8月の供給は1973年の統計開始以来最低。供給減少に歯止めがかからない。

土地が買えない

新築分譲マンションが減った大きな原因は用地取得が進まないこと。マンション建築用地はホテル建築用地とも重なり、入札でホテル用に落札される事例が増えた。
社宅用地などマンションに適した土地が減った事もマンション供給が減った要因となっている。

価格の上昇は続く

供給数の減少は販売価格の上昇を招く。8月の東京23区の平均販売価格は前年比62%増の1億3,948万円と、4ヶ月連続での1億円超え。神奈川なども上昇し首都圏の平均価格を押し上げた。

建築コストの上昇が止まらない。

人手不足や資材価格の上昇により、10年前、3LDKの建築コストは1戸あたり2,000万円だったが、今は3,000万円かかる。
価格の低い郊外では採算が取れないため、分譲マンションの計画自体が減っている。
大手は採算を重視するため、高単価で好立地の物件に注力する。

新築マンションが買えない…

急激な価格上昇はマンションの購入を諦める動きが広がる悪影響も招きかねない。購入を諦めた層が首都圏のファミリータイプの向かい、賃貸需要が増えており、賃料は8月時点で12万7,814円と、前年同月比9%上昇した。

新築マンションの購入が望めなくなると、マンションの購入検討者が次に考えるのは中古マンション。
新築マンションは主に土地の購入費や建築コストにより価格が決まっていくが、不動産流通と言われる中古物件は需要と供給のバランスで価格が決まっていく。
新築マンションを諦めた層が中古マンションの購入に向かえば、需要増となり中古マンションの価格も上昇していく。

この傾向は主要な政令都市でも同様である。
広島市内でも新築マンションの㎡単価が120万円に迫る勢い。
中古マンションの価格上昇も続いており、新築時6,000万円のタワーマンションが9,000万円になっている。
何の商品にしても必要な時(欲しい時)が買い時と言われるが、マンションも今が買いどきかもしれない。

麻布台ヒルズの写真
麻布台ヒルズは完成まで30年超と長い年月がかかっている

マンション売買のお問合せ先
首都圏でのマンション売買の相談は椿不動産東京支店へご依頼ください。

広島市内でのマンション売買の相談は椿不動産本店へご依頼ください。

参考資料
不動産経済研究所 マンション市場動向
https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion

首都圏 新築分譲マンション市場動向 2024 年 8 月
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/602/fr8ea92t.pdf

広島で不動産投資をするならどのエリア?②

「地価の二極化:今、注目すべき上昇エリアと避けるべき下落エリア」

地価動向が二極化する中で、上昇が期待されるエリアと避けるべき下落エリアを解説します。地域ごとの地価動向を見極め、最適な投資戦略を立てましょう。

前回のブログの続きになります。

前回は広島県で不動産投資をする場合のエリア選別について、人口動態データから考察しました。2013年から2023年にかけて広島で人口が上昇しているエリアは、広島市の中区、南区、安佐南区、佐伯区の4エリアで、一番上昇しているのは中区でしたね。

今回は国土交通省が公表している地価公示データを基に、考察していきます。

〇全国の地価動向

※参照:https://tochidai.info/ (土地相場がわかる土地代データ)を基に作成。

こちらは、2014年から2024年にかけての公示価格変動率を示したグラフになります。こうしてみると、広島市がかなり健闘しているのがわかりますね。中国地方で比較すると、山口県は下落しているエリアに該当しますので、不動産投資エリアから除外したほうが良いでしょう。

 

※参照:https://tochidai.info/ (土地相場がわかる土地代データ)を基に作成。

こちらのグラフは2014年から2024年にかけての対前年比変動率の平均を算出したグラフです。このデータからは安定して上昇しているエリアを確認することができます。

直近10年で一番地価が上昇しているのは、福岡県であることがわかります。福岡県ではここ10年で再開発が積極的に進んでいますので、その影響であると思われます。各エリアの開発計画についての解説は、また別の機会でしたいと思います。

広島市も他県と比較すると上昇率は低くないため、広島市の不動産に投資する選択は悪くないと言えそうです。

 

〇広島県内の地価動向について

※参照:https://tochidai.info/ (土地相場がわかる土地代データ)を基に作成。

 

こちらは、広島県内における、平均公示価格上位5エリアで比較した公示価格変動率のグラフになります。こうして数値にして比較すると全然違うことがわかりますよね♪

広島市が10年で約36%上昇しているのに対し、呉市はわずか約2.8%しか上昇していません。その差は12倍以上です!

次に広島市内で細分化すると………

 

※参照:https://tochidai.info/ (土地相場がわかる土地代データ)を基に作成。

 

広島市は上昇しているとわかりましたが、こうして確認すると広島市内でもかなり差があることがわかります。

中区と南区が他エリアに比べ、大きく上昇していますが、安芸区と安佐北区はほとんど上昇していませんね。

広島市ならどこの不動産に投資してもよいというわけではないということです。さらに細分化すると中区と南区の中でもエリアごとに差があるのですが、今回はここまでの考察とします。

 

〇不動産投資・資産組み換え等のご相談は椿不動産まで‼

椿不動産では、こうしたデータに基づいたエビデンスを基に、不動産投資・資産組み換えによる資産形成、不動産を活用した相続対策のご提案を行っています!

少しでも気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください♪

次回は、今回の続きとして「広島で不動産投資をするならどのエリア?パート③」を投稿予定です。マンション価格データを基に考察予定ですので、ご興味のある方はぜひチェックしてくださいね!

文:株式会社椿不動産 東京支店 向原 

※本サイトの掲載内容(画像、文章等)の一部及び全てについて、無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用を固く禁じます。

 

 

 

 

広島で不動産投資をするならどのエリア?①

「人口減少時代の不動産投資戦略:地域ごとの人口動態から読み解く不動産投資エリアの選別」

 人口減少が進む現代社会で、不動産価格への影響を正確に見極めることは、不動産投資を行う上で重要です。今回は、人口動態をテーマに椿不動産の本社がある広島県にフォーカスし、不動産投資をするならどのエリアの物件が良いかを考えていきます。

〇全国の人口動態について

 

まずは、こちらをご覧ください。
これは2100年までの日本の人口推移予測のグラフです。

 

日本はこれから先、人口がますます減少していきます。2050年には国民の約4割が高齢者になっていく時代です。

 

※参照:【国立社会保障・人口問題研究所 日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)を基に㈱椿不動産作成】

上記は、広島・福岡・大阪・東京での人口推移予測を比較したグラフですが、2020年時点に比べ、4都市で比較すると将来的に人口が増加していくのは東京都・東京23区・福岡市だけなのがわかります。以前コラムにも書きましたが、人口が増加している東京23区の新築マンション価格相場は上昇を続けており、現在は1億円を超えています。

新築マンション価格上昇については、建築費の上昇や新築マンション供給戸数の減少による希少性アップなどの要因もありますが、人口が増加していくエリアでは不動産需要が高くなっていきますし、人口増加も不動産価格に影響するファクターの一つと言えるでしょう。

 今後、日本は人口が増加するエリアと減少していくエリアに二極化していくといわれています。つまり、不動産価格も増加していくエリアと減少していくエリアに二極化していくわけです。

〇広島県内の人口動態は?

不動産投資をするなら東京が無難であることは間違いないのですが、東京の不動産価格はかなり上昇してきており、資産に余裕がある方でないと、購入自体が難しいです。

広島県は人口減少傾向であることは先ほどのグラフよりわかりましたが、それでは広島の物件に不動産投資をすることは微妙なのではないかと懸念がありますよね。

実は、広島県内でも人口が増加しているエリアが存在しています。

広島県内をより細分化し、考察してみましょう。

 

参照:【「広島県HP 市区町村別人口の推移」を基に㈱椿不動産作成】

 

 

市町村別で比較すると、人口の変動率に大きな差があることがわかります。

 

これを広島市でさらに細分化すると………

 

 

参照:【「広島県HP 市区町村別人口の推移」を基に㈱椿不動産作成】

 

こうして比較してみると、きれいに人口が増加しているエリアと減少しているエリアにわかれていますね。

不動産投資をする上でエリアの選別するなら、広島市の中でも中区の物件に投資をするのが良さそうであることがわかりますね♪

さらに細分化すると、中区の中でもエリアごとに人口変動率に差があるのですが、今回の考察はここまでとします。

 

〇不動産投資・資産組み換え等のご相談は椿不動産まで‼

椿不動産では、こうしたデータに基づいたエビデンスを基に、不動産投資・資産組み換えによる資産形成、不動産を活用した相続対策のご提案を行っています!

少しでも気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください♪

次回は、今回の続きとして「広島で不動産投資をするならどのエリア?パート②」を投稿予定です。地価公示データを基に考察予定ですので、ご興味のある方はぜひチェックしてくださいね!

文:株式会社椿不動産 東京支店 向原 

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